具体的なデイナイトケアの事例を紹介
社会的役割が大きく需要も伸びている「デイナイトケア」
社会的役割が大きく需要も伸びている「デイナイトケア」
デイナイトケアは精神疾患の影響で社会復帰が困難な人をサポートする場所であり、再発予防にも効果があります。以下に、具体的にどのような人が利用しているのか、成功した事例などを紹介していきます。
世間には精神疾患などを理由に健康的な社会生活が送れず苦労している人がたくさんいます。なんとか克服して就学・就労を目指している人も多く、コミュニケーション能力を磨きたい人にとってデイナイトケアは非常に心強い存在です。利用者の一例としては、精神科病院から退院した直後の人や引きこもりの人、うつ病や双極性障害、総合失調症などで日常生活のサポートが必要な人などです。また、パニック障害やパーソナリティー障害などを患っている人も少なくありません。
まずは、20歳の女性(仮にAさんとします)の事例です。Aさんは就労を目指してデイナイトケアの利用を始めました。Aさんは元々10年以上自宅に引きこもる生活を続けており、うつ病に近い症状がありました。最初は人と上手く話せず苦労していましたが、デイナイトケアで交流を続けていくうちに自分でできることが増えていき、集団の中で孤立することもなくなりました。2年間通った後、無事に就労できました。
次に引きこもりの少年(Bさん)の事例です。Bさんは総合失調症を患っており、気分の浮き沈みが激しいという特徴がありました。過去に非行に走ったこともあり最初は暴力的な言動が目立っていましたが、外来での治療を進めるうちに状態が落ち着いてきました。このタイミングでデイナイトケアに通い始め、治療を継続していった結果、高校に通えるようになるまで回復しました。今では暴力的な言動をすることもなく、非常に礼儀正しい青年に成長しています。
最後は仕事のストレスによりうつ病になってしまった男性(Cさん)の事例を紹介します。うつ病を理由に休職しましたが、休職中は何もすることがなく気持ちが焦るばかりで増々状態が悪化する一方だったため、デイナイトケアに通うことを決心しました。デイナイトケアに通うことで仕事をしていた頃と同様のタイムスケジュールで生活を送れるようになり、利用者同士の交流のおかげで孤独感を覚えることもなくなりました。その結果ポジティブな思考が復活し、短期間のうちに社会復帰に成功しました。
デイナイトケアに通い状態が回復した人たちからは、「悩んでいるのは自分だけじゃないと知り、気分が楽になった」「以前は外出が怖かったが、今は知らない世界をもっと見たいと思うようになった」という声が多く挙がっています。