基礎知識としてデイナイトケアを含むデイケアの区分を知る
社会的役割が大きく需要も伸びている「デイナイトケア」
社会的役割が大きく需要も伸びている「デイナイトケア」
デイケアとは、精神疾患の再発防止や社会復帰に向けて取り組まれるリハビリテーションのことです。デイナイトケアを含むデイケアについて、基本的な内容を見ていきましょう。
デイケアには精神疾患などの影響で社会生活を営むのが困難な患者が通院しており、文化活動や運動など様々なプログラムを受けながら社会復帰を目指します。利用者同士の交流や活動もあり、対人関係の練習や心の安定などの効果が見込めます。就学・就職に向けた支援を行う施設も増えており、社会的に大きな役割を担っています。
通所型の精神科リハビリテーションは4種類あります。午前から午後にかけて行われるのが「デイケア」、午前もしくは午後のみ行われるのが「ショートケア」、夜のみ行われるのが「ナイトケア」、午前から夜まで行われるのが「デイナイトケア」です。
デイケアは午前から午後の6時間で、昼食の時間も含まれます。ほとんどの施設では、9:00頃から始まります。定員は小規模施設で30人、大規模施設で70人までです。
ショートケアは午前もしくは午後の3時間のみ行われます。食事は含まれず、午前の場合は9:00頃から、午後の場合は12:00頃から始まります。時間が短いので、お試しで利用する人や長時間の利用に不安のある人が申し込むケースが多いようです。
ナイトケアは夜のみの4時間ほどで、夕食の時間も含まれます。16:00から20:00までが一般的な利用時間で、日中は仕事で通えない人などが利用しています。定員は20人までです。
デイナイトケアは朝から夜まで行われます。朝昼晩すべての食事が含まれます。ほとんどの施設では9:00から20:00までの時間で実施しています。定員は小規模施設で30人、大規模施設で70人までです。
デイケアには精神科医師や看護師だけでなく、作業療法士、臨床心理技術者、精神保健福祉士などの専門家が在籍しています。配置人数は利用時間と施設の規模によって異なります。中でもデイナイトケアは規模が大きいので、精神科医師の他にも作業療法士や精神保健福祉士などの配置が必須となっていることが多いです。
デイケアを利用する人の多くは発達障害や精神疾患を抱えています。比較的症状が安定しており、現状では入院を必要としない人が通うことになります。通院していなくとも、就学・就職を目指している人を受け入れるケースもあります。利用者の多くは総合失調症を患っており、その他にはうつ病、双極性障害、不安障害などを発症している人が多いです。
なおデイケアは精神科以外でも実施しており、各都道府県に設置している精神保健福祉センターなどでも行っています。