デイナイトケアの治療効果
社会的役割が大きく需要も伸びている「デイナイトケア」
社会的役割が大きく需要も伸びている「デイナイトケア」
デイナイトケアにはどのような治療効果があるのかを紹介します。薬のみの治療には限界がある精神疾患において、デイナイトケアは大きな効果を発揮します。
まず、生活リズムを安定させられます。9:00までに行かなければならないので、夜型の生活から昼型の生活にシフトチェンジできます。あらかじめ決められたスケジュールに沿って生活を送ることで周囲の人々と同様の生活リズムを作っていきます。精神疾患を患っている人は就寝時間が不安定で昼夜逆転の生活を送っているケースも少なくありません。体内時計が狂うと自律神経が乱れ、精神疾患が悪化する可能性があります。生活リズムを正常に戻すことで、効率的に治療を進められるようになるのです。
精神疾患の治療に専念している間はどうしても社会との関りが薄くなってしまいます。その状態が続くといずれ「自分の居場所はどこにもない」と強い疎外感や孤独感を覚えるようになってしまいます。デイナイトケアでは患者に自分の居場所を与えることで本人の不安な気持ちを抑えます。自分と似た境遇で治療に取り組む仲間と日々接することで孤独感が薄れると同時に、回復していく仲間の様子に希望や勇気をもらえます。
デイナイトケアには精神科医師や看護師などの専門家が在籍しています。患者はいつでも相談が可能で、何か問題があった際にはすぐに発見してもらえます。こういった環境は患者に安心感を与えるだけでなく、事故防止にもつながります。
コミュニケーション能力を鍛えられる点も見逃せません。対人関係のストレスが精神疾患発症の原因になることも多く、そうした人々にとって人間関係を円滑にする能力の獲得は最重要課題です。また、病気からの回復だけでなく社会復帰後の再発防止にも効果があります。
デイナイトケアでは利用者同士が力を合わせて取り組むプログラムが用意されています。日常生活に直結する配膳や清掃、調理プログラムなどを通して社会的スキルが磨かれていきます。運動会やクリスマス会などのイベントを実施している施設も多く、無理のない範囲で利用者が協力しながら取り組んでいきます。
利用者をサポートする家族の心理的負担軽減にも効果があります。精神疾患の治療は長期に渡るため、それをサポートする家族にも大きなストレスがかかります。ストレスによって家族関係が悪化してしまうケースも少なくありません。デイナイトケアに通うことで利用者と家族の間に適切な距離感が生まれ、心に余裕を持つことができます。